前回に続けて、英字紙のバンコクポストを飾った9月の面白写真を紹介してみる。
★貧しい人々のために編み物を
編み物デザイナーのアリソンマレー女史(46歳)は、BNH病院が後援する”貧しい人々のための編み物を 2009”プロジェクトの記者会見後、その技術を披露しています。
同女史は、タク県にあるアンファン・ウイッタヤコン学校の子供たちのために、四角い編み物をつなげて毛布にする活動に参加してもらいたいと呼びかけています。
解説:
実は、この写真を見る限りでは、壁一杯にぬいぐるみのお菓子がべたべた貼られている中で、窓越しに見て中年の女性が何か作業をしている程度にしか見えない。ところが、もうちょっとネットで調べてみたところ、このけばけばしく飾りたてた壁は一部に過ぎないのが分かった。本当は、ヘンゼルとグレーテルのようなお菓子の家みたいに出来上がっていたのだ。写真は、アップしただけなので何とも家の雰囲気が伝わらず、残念ではある。
それで、この女性は、どうやらイギリス編み物界の大御所のようでもあるらしく、世界最大の編み物によるクリスマスツリーを作り上げるきっかけを作った人物として紹介されている。
この家の作品についても、庭のこしらえも中の家具もみな編み物で揃えた上に、等身大の人間が出入りできると言う凝りようで、伝説のロックスター:ボンジョビ見たいな芸能人からも賞賛を受けたようだ。今回は、フランスのパリを訪れた後、タイの地域社会を支えるプロジェクト”Let's Knit for the Needy”の呼びかけに協賛して、海を渡ってタイにやって来たことになる。
ボランティアによって編み物から毛布を作り、貧しい生徒に配るコンセプトは、なんで熱帯のタイでそれが必要なのと、変に思う人もいるだろう。ところが、どっこい北部地方の山岳部では冬季になると寒さが意外に厳しい。朝早くだと氷が張るほどの気温にはならなくとも、5度くらいまでは冷え込む。日中は汗ばむくらいまで気温が上昇する中で、朝の寒さは、大人であっても辛い以外の何物でも無いだろう。
しかも、そのような地域では、農業で日々の糧を得ている人々がほとんど生活水準は高くない。子供達のために、毛布のような温かい寝具を用意できる家庭は少ないと言うことだ。
そんな家庭の子供達に手を差し伸べるためのイベントなんだが、紹介された写真が童話の世界のようで、生活の貧苦の印象を和らげているのがせめてもの救いかもしれない。そんな一枚の考えさせられる写真ではある。
<原文>
Knitting for the needy
Alison Murray, 46, a textile designer, shows her knitting skills after a news conference for the BNH Hospital-sponsored "Let‘s Knit for the Needy 2009" project.
Ms Munray wants the public to knit squares to be stitched into blankets for children at Umphang Witthayakom School in Tak.
SAROT MEKSOPHAWANNAKUL
★”しんちゃん”で有名な漫画家が転落して死去
解説:
クレヨンしんちゃんの作者、臼井儀人さんが登山で崖から転落死しているのが発見された記事は、記憶に新しい。
バンコクポストでも、AFP電の配信記事を一面に登場人物のキャラクターまで登場させて、事件の顛末を紹介している。この漫画、14カ国で翻訳され、アニメ版は30カ国で放映されているから、海外でも大変な人気がある。
こちらでも人気は高くて、地元の人はタイトルを「เครยอน ชินจัง」と表音そのまんまに呼んでいるが、イントネーションが微妙に違うらしい。タイ語を勉強中の上さんに読んでもらったら、”クレンヨーン チンジャン”と発音した。ちょっと、タイ風いたずらっ子見たいな感じもする。
個人的には、この漫画は作風として好きでない。子供らしくなくてひねているからで、親も低俗・低次元な人生を送っている感じがして、自分の感性からは程遠い。舞台を埼玉県の春日部に設定してあるらしいのだが、首都圏近郊の地方都市に住む中産階級の家族が、如何に俗悪で日本人として劣化・再生を繰返しているのかを、表現していると感じて来た。
これは、作品だけを純粋に好き嫌いで見た結果に過ぎない。個人の臼井さん自身はほとんど知られていないし、ひょっとしたら気さくな男性だったのかも知れない。だから、自分も山登りが好きな性質なので、この事件は痛ましい。謹んで、哀悼の意を表したい。
<原文>
Famed "Shin-chan" cartoonist dies in fall.
TOKYO: Tributes poured in yesterday for Japanese cartoonist Yoshito Usui as after confirmation bruised body of a man found on a mountain was that of the creator of the popular Crayon Shin-chan series.
Usui, 51, who was popular worldwide among manga enthusiasts, disappeared on Sept 11 after he went hiking on his own on a mountain range Straddling Gunma and Nagano prefectures, north of Tokyo.
A body was found on Saturday by a fellow hiker and his family late Sunday confirmed it was Usui, a recluse who was married with two daughters.
The indications are he fell and there was no suggestion of suicide, police and reports said. His death dampened celebration yesterday on the Respect for the Aged holiday in Kasukabe, a suburban city outside Tokyo which which has become well-known nationally as the place where the cartoonist lived and set the Crayon Shin-chan story.
"I'm deeply depressed to hear the unfortunate news. I pray his soul rests in peace with citizens here, "Kasukabe mayor Ryozo Ishikawa said by telephone.
"I saw many sorrowful citizens today ‘Shin-chan' is definitely a Kasukabe kid. We hope ‘Shin-chan', a byword for cheerfulness, will keep staying here with his family," he said.
Usui made his debut as a manga author in 1987 and sprang to prominence in the 1990s with Crayon Shin-chan, which features the daily life of Shin-nosuke, a mischievous five—year-old boy.
The series ran regularly in a magazine and later was made into a book and animation version.
"We had been praying for Mr Usui's safety with his familly but now feel the utmost regret over how things have turned out. We are in a big shock," Futabasha, the publishing house of Crayon Shin-chan, said in a statement.
His books have been translated in 14 countries and the animated version has been aired in 30 countries. AFP
※9月は、結構面白い話題が多かったので、その6まで続けさせていただく予定です。
(この巻き、終り)
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