ミャンマー難民がタイに流入してすでに四半世紀が過ぎた。現在、タイ国内には国境付近に九つの難民キャンプが設けられていて、約14万人の難民が生活していると言う。政府軍と少数民族の間で起きた紛争や、ミャンマー国内の圧政・人権侵害・迫害が原因で命からがら逃げ出した人々が、母国に帰る保証も無く、貧しい暮らしを送っていることになる。
モン・ソンディー君は、チェンマイ県選出の国籍の
無いタイ代表だが、日本で行われた紙飛行機の
国際的な飛行大会の団体競技で、チャンピオン
として浮かび上がった。
無いタイ代表だが、日本で行われた紙飛行機の
国際的な飛行大会の団体競技で、チャンピオン
として浮かび上がった。
このモン君も、ちゃんとタイ国籍を持っていたのなら、これほど有名にならなかっただろう。地元の紙飛行機大会で優勝したご褒美として、日本の国際大会に招待されて出場したぐらいの埋め草記事程度にしかならなかったはずだ。
日本紙飛行機コンテストで獲得した金メダルを見せ
ながら、父、母、妹からスワンナプーム空港でキスを
受けました。
祝福に駆けつけた中には、科学技術庁大臣も居り、大臣は
科学方面の奨学金を授与する予定です。
ながら、父、母、妹からスワンナプーム空港でキスを
受けました。
祝福に駆けつけた中には、科学技術庁大臣も居り、大臣は
科学方面の奨学金を授与する予定です。
ところが、両親がミャンマー少数民族のシャン族で無国籍なことから、この少年は時の人に昇華してしまった。
つまり、少年はタイ人ではないのである。当然、パスポートを取得する資格も無いから、国外へ出ることも許されない。そうなると、せっかく優勝しても日本へ旅立つことができなくて、大会参加をあきらめざるを得ないような雰囲気で話が進んでいた。
しかしだ。
タイ政府は、突然、特例措置で臨時旅券を発給したのである。アピシット政権は、連立与党の不安定な政権で支持基盤勢力が脆弱だ。何かに付けて大衆に迎合しようとして、手当たり次第に下策を出すのも、いかがなものかと思うのである。
その結果、本人が紙飛行機の滞空時間を競う日本大会で団体優勝したのは讃えたいところだ。だが、少年の対処自体に当たっては、厳然たる法的判断があっても止むを得なかったのではないかと思っている。
実を言わしてもらえば、日本の民主党政権もこれに負けず劣らず、太鼓持ちではないだろうか。
これに似たような恣意的な超法規的措置を下した千葉法務大臣は、狂気の沙汰の外道であろう。残留孤児の子孫と偽って入国し、裁判の結果、国外退去が確定した両親の子供に、かわいそうだぐらいの気持ちで、ためらいも無く在留特別許可を出したからだ。
実際に、姉妹達は退去命令取消し請求の訴訟で争って敗訴が確定していたのだ。裁きを無視して在留を特例で認めるなど、法務大臣の器量ではない。特定外国人に治外法権を許し認めた思想的凶状持ちと言って過言ではない。
と言うわけで、タイのモン君は紙飛行機の明るい話題で和んだのですが、日本の方は、これからどんどん変な方向に進んでしまうのではないかと恐れを抱く貧乏社長なのでした。
(この巻き、終り)
おまけ:この記事は、”バンコクポストで見る今日のタイ”として書くつもりでしたが、原稿量が多くなったので、独立させました。
★キャプション原文
(写真一枚目)
Mong lands gold in team event
MongThongdee, a stateless child from Chiang Mai province representing Thailand in an international paper airplane flying contest in Japan, yesterday emerged the champion in the team event.
(写真二枚目)
Mong Thongdee, 12, shows the medals he won at the Japanese paper airplane contest as he is kissed by his mother, father and sister at Suvamabhumi airport upon his return yesterday. Among the well-wishers was Science and Technology Minister Khunying Kalaya Sophonpanich, whose ministry will grant him a science scholarship.
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