上さんが、こめかみの下、耳の前辺りに腫れができたと騒ぎ出した。
何でも、先週の金曜日から膨れ上がって来て、押すと軽い痛みがあると言う。それから、エラの下辺りも押さえると痛みがでるらしい。体が疲れていたように見えたので、外部から雑菌・細菌でも体に侵入したのではないかと察した。だから、腫れやら痛みやら発熱なんかも出てきたのだろう。
そんな時、日本なら簡単に病院へ行ってしまうはずだ。
ところがどっこい、こちらはタイだ。日本の健康保険が使えない。もちろん、会社は、出張者・駐在員のために海外旅行保険に、加入だけはおざなりにしてくれた。だが、緊急の治療には全く役に立たない。治療を受ける前日に電話で申し込んで、翌日の病院が民間保険適用の連絡を受理して、初めて治療が可能になるのである。
勝手に先に治療を受けて適用を申請しても、そう簡単に気安く払ってくれるとは限らない。例えば、慢性病と判断して健康管理の問題にされて支払いを拒否する可能性だってある。結局、保険会社なんて冷血無比に金儲けだから、人の健康・生死など関心は無いのである。コールセンターの受付バカ女どもと、やり合った嫌な思い出もあるし、あんな存亡邪藩なんか使いたくも無いのだ。
だから、先ず薬で治すのである。
もちろん、日本だったら処方箋無しで買えない薬も、こちらでは容易く入手できるのも理由だ。最初は、心配だからグーグルで症状を当たってみた。医療知識が全く無いわけではないが、何と二百七万件の人が同じキーワードで検索していた。
これは、ごく普通にみんなが掛かる病気のようだ。リンパ腺の腫れとか、感染症のように思える。だとしたら、先ずは、抗生物質を上さんに飲んでもらって、症状が軽くなるか経過を観察してみよう。
とは言っても、簡単に抗生物質が手に入るのだろうか。
以前、風邪でダウンして治療に抗生物質のクラビットを服用したことがある。この時は、病院から貰ったのだが、興味もあったのでフジスーパーで買えることを確認していた。この薬は値も張るし、効能が強すぎて危険なのが分かっている。体内に必要な細菌まで殺傷してしまうのだ。上さんの症状は未だ軽い。できることなら、ソフトに効く抗生物質を手に入れたほうが正解だろう。
それで、ネットで探すだけ探して、ご近所のビラスーパーへ出掛けてみる。薬局の白衣を着たおねーちゃんに聞いてみたら、こんな回答が帰ってきた。
1.タリビッド(Tarivid)=オフロキサシン(Ofloxacin) 価格:10錠245バーツ
2.クラビット(Cravit)=レボフロキサシン(Levofloxacin) 価格:5錠550バーツ
3.トスキサシン(Tosuxacin)=トスフロキサシン(Tosufloxacin) 取り扱いなし
4.グレースビット(Gracevit)=シタフロキサシン(Sitafloxacin) 取り扱いなし
このタイでは、タリビッドを用いるのが無難なようだ。白衣の女性も、クラビットは効き目がより強いと説明したから、このタリビットを買うことにした。もう一つ、痛みを抑える鎮痛・抗炎症剤も買っておいたほうが良いと思って、ボルタレンも10錠70バーツで買ってみた。
こんな風にして薬を買ってきたみたんだが、以前にも話したように、地元の人たちは、少しぐらいの病気なら薬を飲んで自分で直してしまう。医療費が馬鹿にならないからだろう。貧乏社長も、郷に入りては郷に従えで、地元に馴染んで来たのかなと感じる始末なのでした。
(この巻き、終り)
おまけ:
インフルエンザに効く、タミフルは、ここタイでも病院に行かない限り手に入りません。他の、同等の効能がある”リレンザ(Zanamirvir)”とか”シンメトレル(Amantazine)”は、地元で流通していないようです。
4 件のコメント:
海外で生活するという事はこうゆう苦労があるんですね。
お大事に。
どらねこさんへ、
海外旅行保険でもめるのが嫌ならば自腹を切ればよいのですが、バンコクの治療代はもすごく高いのです。
例えば、半日入院して四万円以上とかびっくりします。支払いを先に済ませてから、診断書とか治療の説明書を日本語で作成して国民とか企業組合の健康保険へ、申請すれば還付は受けられます。ただ、日本で同等の診療を受けた場合の医療費を基準としますので、こちらの医療費が高ければ、その分、持ち出しとなってしまうのです。駐在で健康保険の掛け金を払い続けているのに、使いづらいなんて、おかしな話ですよね。
ボルタレン、強すぎませんでしたか? ロキソニンとボルタレンは、非ステロイド系の鎮痛剤(NSAIDs)の王様と女王様ですから。どちらが王様かは???です(^^)
抗生物質は女性が飲むと、膣炎などを起こしやすいのでどうぞ気をつけてください。私はクラビットを飲むと、胃も膣も痛くて痛くてたまりません。なので、抗生物質は拒否しています。
お大事になさってくださいね。
とよこさんへ、
おいらは、ロキソニンをC型肝炎の治療で使いましたし、ボルタレンは軽いむち打ち症になったときに使用しました。
どちらも、一長一短があるようで、処方は先生の好みでは無いかと思います。
最近は、日本ではロキソニンを選ぶ先生が増えた感じがしますけど、タイでは入手が難しくて、ボルタレンなら簡単に薬局で買えます。
クラビットは、使わないほうが無難だと思います。バイオテロ攻撃を受けた場合の治療に使うとか、ネットで見聞きしましたので、かなり強いのだと感じました。
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