理由は簡単だ。民主党が「肝炎基本対策法案」を廃案にしたからだ。
昔、俺はC型肝炎患者だったのだ。
もし、完治できなかったら、タイへ駐在で来ることも無かっただろう。
この病気に打ち克つためには、普通なら半年以上の長く、副作用に苦しむ治療が必要だ。しかも、完全に治癒できる保障はどこにも無い。ウイルスの種類次第で、治せる確立が半分へ減ってしまう場合もあるのだ。
俺は、この病気にどこで罹ったのさえ、はっきりしていない。唯一、あるとすれば二十年以上前の手術がそうだろう。たった牛乳瓶一本の輸血が、禍々しい病気を俺に感染させたことになる。あの時は、高速道路で大事故を起こしてしまい、骨折の手術が必要になった。両足の大腿骨を一度に折ったから大がかりになった。後悔は先に立たない。
肝臓は物言わぬ沈黙の臓器だ。
病状の進行には痛みとか苦しみは、ほとんど伴わない。慢性肝炎があからさまに分かるようになったら、かなり危険だ。見えないウイルスが、感染した臓器で密やかに増殖を繰り返していく。そして、ウイルスの攻撃で正常な機能を果たさなくなった肝臓は、初めて、本人に体の不調を死の予兆として知らせるのである。
日本では、C型肝炎の患者数が、約二百万人に達するらしい。
厚生労働省の薬害行政は、凄まじいにもほどがある。監督官庁や製薬会社の患者軽視、安全性軽視、隠蔽体質は、薬害HIVの時から何も変わっていない。血液製剤を認可・放置した、当時の官僚は万死に値するだろう。
それでも、昨年初めに、福田内閣が「薬害C型肝炎被害者救済のための特別措置法」を、漸くにして成立させた。被害者一人当たり、最大で四千万円の給付金が拠出されようになったのは、本当に朗報だ。だが、その支給元は、天下り特殊法人が役割を担う。未だに、転んでもただでは起きない役人根性が顔を覗かせる。
話が長くなった。民主党の功罪まで立ち返ってみよう。
現行の特措法は、あくまでも臨時なのである。総ての患者を包括的に救済するには「肝炎基本対策法」が必要になる。だから、その法案が国会へ上程され、ついこの間まで一年半を掛けて審議が継続していたのだ。それを民主党は、反故にしたのである。
いくら、参院本会議で「麻生太郎首相問責決議案」を採決したからと言って、一切の審議に応じられないと拒否する姿勢は、どんな動機に基づくのか。言わずもがな、民主党の田分け供は、人命より政局を優先して、政権交代を横暴に簒奪したかったに相違無いのである。
もし、国会を閉じる前に手続きが取れ、委員会も閉会中に審査を行っていたのであれば、来期の国会で審議が引き継がれたのだ。そして、法案は成立したはずなのである。これならば、民主党を支持する肝炎患者とて、多少の遅れはあったにせよ、我慢も納得もできるだろう。しかしながら、民主党は政争の道具として患者達を弄び、希望を闇に葬り去ったのである。
民主党は、正に極悪非道、人非人の集団としか言えない。
こうして、苦しんでいる多くの肝炎患者たちは、政策による保護を受けることも無く見捨てられたのだ。
国民は、民主党に批判の矛先を向けるべきなのだ。審議拒否をしている民主党の本性は、餓鬼である。地獄に落ちるが良い。末代まで政権を取らせるわけには行かないのである。
何がマニフェストだ。
”暮らしのための政治を”が聞いて呆れるわ。
”私の目指す友愛社会です。”は、肝炎患者は村八分なのですね。
そんなことを過激に考えながら、在外選挙人登録の提出が遅れてしまい、今回、投票のできないことが分かって、悔しさを募らせている貧乏社長なのでありました。
(この巻き、終り)
おまけ:貧乏社長は、インターフェロンとリバビリンと言う薬が国保で適用できるようになったので、治療を決心しました。それまでは、国保が適用できないので、百万から二百万円くらい治療代が掛かっていたのです。
それで、薬害肝炎九州訴訟原告のシンデレラ、福田衣里子さんが民主党から衆議院議員候補として、立候補するんだそうです。私は許しません。
<Asahi.comニュースより>
与党内、21日解散の見方強まる 「民主は審議拒否」
2009年7月15日19時40分
自民、公明両党は15日、衆院で可決され参院に送られた北朝鮮制裁のための貨物検査特措法案を成立させるため、民主党に協力を求める幹事長会談を呼びかけた。自民党の大島理森国会対策委員長によると、民主党は「問責を出したので一切の審議に応じられない」と拒否した。
与党側は「総理に『成立させてくれ』という気持ちが強い。来週中に解散なので、ぎりぎりまで努力しないといけない」(大島氏)と働きかけを続けているが、民主党は応じない考えだ。
首相は同法案の成否を見極めるため、解散時期を「21日の週早々」としているが、与党執行部内では法案成立が難しくなってきたと見て、首相が解散に踏み切る場合は最短の21日になるとの見方が強まっている。
「命より政局か」 肝炎患者団体、対策法案の廃案抗議
2009年7月16日0時55分
B型、C型の肝炎患者が求める医療費助成などを盛り込んだ肝炎基本対策法案が、衆院解散で廃案になる見通しが強まっていることを受け、薬害肝炎全国原告団と全国B型肝炎訴訟原告団、日本肝臓病患者団体協議会が15日、厚生労働省で記者会見し、「命より政局優先か」と抗議した。
薬害肝炎全国原告団の山口美智子代表は「混乱した政局だからとあきらめきれない。患者は見殺しにされたも同然だ」と批判。親子3人がB型肝炎で闘病中の女性患者は「集めた30万人分の署名が無になった」と声を震わせた。
国会には、与党が肝炎対策基本法案を、野党が肝炎医療費助成法案を提出しており、水面下で一本化の話し合いが行われていた。薬害肝炎全国弁護団の鈴木利広代表は「何が原因で審議入りできないのか。国会は説明責任を尽くしてない」と話した。
2 件のコメント:
肝炎患者の方に、身障者手帳を発行されることになったと聞きました。あれは暫定法律とは関係なく、霞ヶ関内での対策の1つなのでしょうか。
身障者手帳の発行時に何級の障害になるかによって異なりますが、1~2級に相当するなら、市町村によりますが医療費がかなり減額されます。
このあたりのニュースが殆ど乗っておらず、どうなったのか心配です。
とよこさんへ、
民主党は、法案を審議拒否して廃案にしたかったのは貨物検査法案だけだったのでしょう。こちらの法案まで廃案になるのが分かったので、慌ててマスコミに弁明したとか、ネットで話が広がりました。こんな政党に国政を任せるのは、危ない感じがするね。
ただ、上さんは政治の話は危険だからブログに書かないでくれと頼まれます。
でも、本当にC型肝炎の治療は、働きながら受けると苦しいんですよ。しかも半年から一年の間ですよ。そんな自分の経験から、非常に義憤を感じたのです。身障者手帳を貰ってもいいと思います。五割の人が完治できずに、一生、病気と付き合うんだから...
おいらは直って、本当に幸せ者だと、しみじみ感じました。
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