上さんと一緒に、週末の早朝散歩を始めてだいぶ時間が経つ。
近所のベンチャリ公園を散歩した後は、スクンビット通りを横断しながらソイ33の角にたどり着くのが、お決まりのパターンだ。なぜかと言えば、そこには、おかゆと揚げパンを売っている屋台が店を開いているからだ。
地元の人は、朝ごはんの定番としてこの品々を好んで選ぶ。特におかゆは、屋台の側に並んだテーブルに座って食事を取る人々も多い。実際に、二人ともこの光景をよく見かけて来た。それに屋台なものだから、不衛生かもしれないと心配はあった。だから、これまでは、持ち帰えることもなかったのである。
ただ、朝の運動をすれば当然お腹も空いてくる。そんな時、心配より食欲に軍配が上がった。
とある週末、通りの向こうを見ながら、屋台や棒振りの売り子さんが何を売っているのか、興味の方が勝ったのである。朝の早い時分から活気が伝わってくる感じだ。店の軒先に当たる歩道を間借りしながら、どんな商売をしているのだろう。冷やかし気分も無かったわけではない。先ずは、車の流れが途切れた隙を見計らって通りを渡ってみた。
※クリックすると大きくなります。
ソイ33の入り口角は、コンビニのセブン・イレブンがでんと店を構えていて目立つ。隣には、名の知れたメキシカン・パブの”コヨーテ”も並んでいる。日の明るいうちは、店も閉じているから、屋台を開こうが営業妨害にはならないのだ。所場代を払っているかどうかも、分からない。ただ、昔から店を開いていて、既得権もあって営業を続けているような雰囲気が漂うのも頼もしい。
しかも、ここで朝飯を取ったり、職場へ持ち帰るためにテークアウトをする人たちが多い。たぶん、この界隈へ出勤してくる人たちだろうと思うのが、清掃作業のような上下のユニフォーム姿もあれば、はたまたOL風に身なりの決まった女性なんかも立ち寄ってゆく。
何時来ても千客万来で、商売繁盛の活気は見ていて楽しい。
中でも、自分と上さんのお気に入りは、気軽に持ち帰りできる揚げパン屋とおかゆ屋なのである。多分、朝は六時くらいから営業を始めているんだろう。売れ行きもいいから、おかゆ屋さんは、九時を過ぎてしまえば売り切れてしまう。
おかゆを持ち帰るときは、先ず頼み方が違っていて、”スー・クラッバーン(買って帰る)”と宣言しなければならない。お店の人が分かってくれたら、ビニール袋の中へじょうごを使って上手におかゆを注ぎ出す。トッピングとして、鶏肉のつみれとか、白もつを選ぶ必要があるけれど、適当にガラスケースに入った具を指差していれば、トングとか言う挟み具でパッパッと掴んで、袋の中へ放り込んでくれる。最後に、袋の口をゴムで幾重にも巻いて漏れないようにすると一丁出来上がりで、小さなレジ袋に入れてもらえる。これで、一杯分25バーツ(75円)とお安い。
今度は、揚げパン屋さんだ。金額を言うと袋に入れてくれるんだが、一人当たり10バーツ(30円)分が目安になる。タイ語では、このパンをパートンコーとか言うらしい。小麦粉の生地を棒状にして、それを二本ずつ中心をつまみながら油の中に入れ、こんがりと揚げてゆく。出来あがりをを、これもトングーとか言う調理具ですばやくひっくり返して確かめたり、すばやく掴み上げてゆくのを見ていて、職人技を感じてしまった。
そして、この二つを買ったら袋を手にして、ブラブラ家まで歩いて帰ってくる。
途中には、ファラン(外人)御用達のビラスーパーもあるから、上さんが野菜を買うのについでに寄ったりする。ただ、透明なレジ袋をぶら下げて、買った中身がすぐに分かってしまうのはいただけない。お店の人も、変な外人が買い物に来ていると、きっと思っているだろう。そう言う視線を感じながら、このお店の買い物はそそくさと済ませてしまう。
帰ってきたら、シャワーを浴びて朝ごはんだ。運動をした後の、食事は美味しいものである。こうして、週末の朝飯にささやかな幸せを感じる、上さんと貧乏社長なのでありました。
(この巻き、終り)
地元の人は、朝ごはんの定番としてこの品々を好んで選ぶ。特におかゆは、屋台の側に並んだテーブルに座って食事を取る人々も多い。実際に、二人ともこの光景をよく見かけて来た。それに屋台なものだから、不衛生かもしれないと心配はあった。だから、これまでは、持ち帰えることもなかったのである。
ただ、朝の運動をすれば当然お腹も空いてくる。そんな時、心配より食欲に軍配が上がった。
とある週末、通りの向こうを見ながら、屋台や棒振りの売り子さんが何を売っているのか、興味の方が勝ったのである。朝の早い時分から活気が伝わってくる感じだ。店の軒先に当たる歩道を間借りしながら、どんな商売をしているのだろう。冷やかし気分も無かったわけではない。先ずは、車の流れが途切れた隙を見計らって通りを渡ってみた。
※クリックすると大きくなります。
ソイ33の入り口角は、コンビニのセブン・イレブンがでんと店を構えていて目立つ。隣には、名の知れたメキシカン・パブの”コヨーテ”も並んでいる。日の明るいうちは、店も閉じているから、屋台を開こうが営業妨害にはならないのだ。所場代を払っているかどうかも、分からない。ただ、昔から店を開いていて、既得権もあって営業を続けているような雰囲気が漂うのも頼もしい。
しかも、ここで朝飯を取ったり、職場へ持ち帰るためにテークアウトをする人たちが多い。たぶん、この界隈へ出勤してくる人たちだろうと思うのが、清掃作業のような上下のユニフォーム姿もあれば、はたまたOL風に身なりの決まった女性なんかも立ち寄ってゆく。
何時来ても千客万来で、商売繁盛の活気は見ていて楽しい。
中でも、自分と上さんのお気に入りは、気軽に持ち帰りできる揚げパン屋とおかゆ屋なのである。多分、朝は六時くらいから営業を始めているんだろう。売れ行きもいいから、おかゆ屋さんは、九時を過ぎてしまえば売り切れてしまう。
おかゆを持ち帰るときは、先ず頼み方が違っていて、”スー・クラッバーン(買って帰る)”と宣言しなければならない。お店の人が分かってくれたら、ビニール袋の中へじょうごを使って上手におかゆを注ぎ出す。トッピングとして、鶏肉のつみれとか、白もつを選ぶ必要があるけれど、適当にガラスケースに入った具を指差していれば、トングとか言う挟み具でパッパッと掴んで、袋の中へ放り込んでくれる。最後に、袋の口をゴムで幾重にも巻いて漏れないようにすると一丁出来上がりで、小さなレジ袋に入れてもらえる。これで、一杯分25バーツ(75円)とお安い。
今度は、揚げパン屋さんだ。金額を言うと袋に入れてくれるんだが、一人当たり10バーツ(30円)分が目安になる。タイ語では、このパンをパートンコーとか言うらしい。小麦粉の生地を棒状にして、それを二本ずつ中心をつまみながら油の中に入れ、こんがりと揚げてゆく。出来あがりをを、これもトングーとか言う調理具ですばやくひっくり返して確かめたり、すばやく掴み上げてゆくのを見ていて、職人技を感じてしまった。
そして、この二つを買ったら袋を手にして、ブラブラ家まで歩いて帰ってくる。
途中には、ファラン(外人)御用達のビラスーパーもあるから、上さんが野菜を買うのについでに寄ったりする。ただ、透明なレジ袋をぶら下げて、買った中身がすぐに分かってしまうのはいただけない。お店の人も、変な外人が買い物に来ていると、きっと思っているだろう。そう言う視線を感じながら、このお店の買い物はそそくさと済ませてしまう。
帰ってきたら、シャワーを浴びて朝ごはんだ。運動をした後の、食事は美味しいものである。こうして、週末の朝飯にささやかな幸せを感じる、上さんと貧乏社長なのでありました。
(この巻き、終り)
2 件のコメント:
おかゆに白モツが入るのですね。すごいなあ。屋台の並ぶ商店街(という言い方をタイでもするのかな?)、活気がありますね。日本もハコモノ重視(店舗重視)ではなく、屋台中心だったら、商店街もここまで廃れなかったかもしれません。やっぱり食べ物屋さんあっての、物販屋さんですからね。
揚げパンもすごい。量もすごいけれど、大胆な作り方ですね。どんな味だろう。
日本と同じようなものが売られていても、味やスケール、販売方法の違いなどに圧巻を感じます。日本の小売業の方々も、お店に来ないならこちらから出てやる、というぐらいの根性があればね。。でもきっと、保健所の許可が・・・とかいう話になりそうだけど。
とよこさんへ、
揚げパンは、小麦粉の微妙な甘さと揚げた油の味しかい無いのですが、美味しく感じます。
さて、日本とタイを比較した場合、タイは自己責任の国ですね。屋台で食べ物を買ってお腹を壊しても、そう言う不衛生な屋台を選んだ消費者が悪いのです。行政は、最低限の関与だけですから、屋台で赤痢のような伝染病が流行れば、取締りと指導を強化するでしょう。
国民保険もありません。病気にかかれば、全額自腹です。一日入院すると4万円以上がぶっ飛びます。お金のある人は、アメリカみたいに民間医療保険に入るでしょう。お金の無い人は、薬で治します。しかも、処方箋無しでも抗生物質や抗炎症剤のような薬が、普通の薬局で簡単に購入できるので、最低限に病気を治す手立てはあると言うことです。
タイは、日本と比較して規制のかなり緩やかな国でしょう。ただ、その分、貧富の差が大きくなっているのでは無いでしょうか?
日本のように大きな政府の国が良いのか、タイのような小さな政府の国が良いのか、こちらに住んでみて真面目に考えるようになりました。
保健所の許可を書かれていたので、そんなことを考えてしまいました。小難しい話ですみません。
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