人間と言う感情を持った生き物は、とかく弱いものだ。
将来を万能に見通せるわけでも無い。自ずと不安、焦燥、迷いは生ずるものだ。己が人生を成功に導くためには、神仏の信心に頼ったとしても致し方ないものだろう。ただ、それが自分の生活の一挙手一投足にまでたがを嵌め、お触れやらお祈りに依存して生きようとするならば、それは中毒であり邪道である。人間の弱き心根に付け入ろうとする、邪まな洗脳と言うべきものだ。
ハトポッポ首相の幸夫人には、とかくオカルト的な話題が多い。
つい先だって発行された週刊誌の中でも、取材の格好の餌食となったようで、「文春」と「新潮」が競うように夫人を見事に血祭りに上げた。兎に角、見出しそのものがゴシップである。
★週刊文春2009年10月8日号(クリックで大きく見られます。)
総力特集 首相を“支配”するファーストレディ
鳩山 幸 語られざる「血脈」「父との別れ」
▼外交デビュー「金色スーツ」の陰に“奇門遁甲”謎の指南役
▼オカルト原点は上海からの引き揚げ!? 親族が明かす少女時代の「流転」
★週刊新潮 2009年10月8日号(クリックで大きく見られます。)
【グラビア編】 ▼紅のケリーバッグを持った「鳩山幸」夫人が頼る女占い師
まあ、中吊りを見てしまえば、何を書いてあるかは大体想像が付く。単純に言えば、怪しい占いの人生指南役が付きまとっていると言うことだ。「金色のスーツ」、「紅のケリーバッグ」と言う場違いさが、似つかわしい。セレブなご婦人層にたかって、世迷言でたらしこみ、しこたま阿漕に金を強請り揚げようとする、見下げ果てたご立派な占い師であろう。しかし、こんないかがわしさ満載の化け物にすがるファーストレディーなら、日本を代表して貶めるだけのファーストレディーなのかもしれない。
既に、アメリカのNBC系列のニュースでは、幸夫人のとんでもない自著についてからかい気味に紹介している。
"WHILE MY BODY WAS ASLEEP, I THINK MY SOUL RODE ON A TRIANGULAR SHAPED UFO AND WENT TO VENUS. IT WAS A VERY BEAUTIFUL PLACE AND IT HAS REALLY GREEN." (SOURCE REUTERS)
”私の体が深い眠りにある時、魂が三角形のUFOに乗って金星へ行ったと思う。それは、とても美しい場所で実際に青々としていた。”
出しゃばりなのは昔から知られていた。とは言え、あまつさえ、UFOに乗って金星まで出かけ、前世では米映画俳優のトムクルーズと知り合いだったとか、怪異を信じ、常軌を逸脱した愚か者である。こう言う人が、鳩山首相と日常生活を共にしているのだ。感化されずにはいられないだろう。もし、占い頼みで、そのご託宣に従って政治活動を行っているとしたら、中世に同じで平安時代の摂関政治並みに復古したも同然である。前世の話をするぐらいだから、鳩山首相も関白の藤原何がしの生れ変わりと説明するようになるだろう。
いやはや、日本は既に滅びの末法の世界に入ったも同然だ。
しかしながら、こちらタイでも事情は似通っている。有力者たちは占いにはまり、黒魔術でのろいの掛け合いをしていると言うのだ。有名占い師の予言が新聞紙面をにぎわすタイでは、「かかり付け」の占師や風水師を頻繁に訪ねる政治家や軍幹部が、多いらしい。
オックスフォード主席卒業の若きアピシット首相なら、合理的判断ができると期待しておこう。よもや、神頼みをするとは思えない。しかし、過去の歴代首相や政府高官は、とんでもない事跡を残している。現に、昨年失脚したソムチャイ前政権では、それを支える有力者と反政府市民団体幹部の間で、黒魔術でのろいを互いに仕掛ける「事件」を起こした。政情不安の背景に、占いが少なからず影響を与えている証左でもある。
いや、それに輪を掛けた人もかつてはいた。海外逃亡生活を続けるタクシン元首相がそうだ。あらゆる占いを信じていて、特に占星術に凝っていたと言う。首相任期中、星の位置が悪いと判断して、しばらく記者会見を取りやめたこともあったぐらいなのだ。ただ、お笑いなのは、9月9日9時19分にタイを出国しなければ不幸が起きるとお告げを受けて、外遊に出国したは良いものの、その10日後に軍部のクーデターで首相の座を追放されたのは、皮肉としか言いようが無い。
だから、はっきり言う。占いを頼み、自らで生き抜く知恵を持たぬものは、愚かである。
そんなわけで、里帰りしたら、鎌倉鶴岡八幡宮のお札を必ず持って帰る貧乏社長ではあるのですが、片や、人生は必ず自ら切り開くものだと言い聞かせるのでありました。
(この巻き、終り)
2 件のコメント:
こんにちは。
タイの占い事情、初めて知りました。お国の習慣もあるんでしょうが、ビックリしました。
でも、日本も幸夫人がいますから、笑ってる場合じゃないですよね。電車の広告って結構、見ちゃいますから若干でも影響あると思います。
TVでやってくれれば一番良いのですが…。
それと、いつもアップして下さるタイ事情、凄く面白いです。(私はツアーで一度だけバンコクへお約束の水上マーケットに行っただけですので)
それでは、これからもブログ楽しみにしております。
tokiyさんへ、
拙ブログへ起こし下さり有難うございました。
このブログは、タイ駐在中に自分で感じたこと考えたことを記念に残しておきたいと考えて始めたものです。
その内に、日本を離れて海外で暮らすこともあって、日本の内実が気になり出して、政治ネタを少しだけ自分の感性にしたがって扱うようにもなりました。
鳩山首相の幸夫人については、あれほど週刊誌が取り上げるのですから、資質的に問題があると思います。麻生首相の奥様は、表に出られませんでしたが、これぞ賢夫人であったのかもしれません。
そんな風に思いました。
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